昼の部、宮藤官九郎の新作をぜひ観てみたいと思っていたのですが、夜の部に知人の義太夫、東太夫さんが出演。野田秀樹の「鼠小僧」も未体験。
どうせ歌舞伎座に行くならと、1日歌舞伎を観ることにしました。当然 2500円の席で。ネットで席を取ったので、一人で気ままに。
始まりは「操り三番叟」というマリオネットのような動きの踊り。勘太郎さん、踊りに熱心です。
「野崎村」では、知人の竹本葵太夫さんが義太夫。
喉、一時出しづらい時期がおありだったようですが、今回は快調のようでした。
勘三郎さんと三津五郎さんの「身代座禅」。夫の浮気に焼きもちを焼く「山の神」。もう四回ほど観ていますが、夫婦役の親しい関係が、悋気の演技の微笑ましさに現れます。
そして宮藤官九郎(クドカン)の新作「大江戸りびんぐでっど」。
数年前、三谷幸喜さんの新作歌舞伎「決闘!高田の馬場」の舞台上から勘三郎自らクドカンにオファーし、実現した舞台。ゾンビが派遣の組織を作り、「無給でくさくてきつくきたない仕事」を引き受け大もうけ。
カエルの被り物は精巧に作られています。
群舞は、まるでマイケル・ジャクソンの「スリラー」。
ただただ楽しかった。
三谷幸喜さんも当時「歌舞伎じゃなくてすみません」と誤っていた記憶があるのですが、クドカンも筋書きで「怒られる前に誤っておきます。どーもすみません」と書いています。
夜の部は、「引窓」から。
友人の竹本東太夫が、出演者よりいい声。
追われている濡髪長五郎を匿う母心。
「雪傾城」は、歌舞伎界の重鎮、芝觀さんが孫6人と歌舞伎座で踊りたい。という夢を叶えてさしあげました。
そして野田版「鼠小僧」。
勘三郎さん大奮闘です。
クドカンにも共通するのは、歌舞伎座の回り舞台という装置を有効的に活用しようと試みている点。
そういえば、どちらも休憩がありませんし。
そして、ちょっとしたところで、ユニットの揃った動きで笑いを取るところ。
カタカナ言葉は多く出てきますし。当然、イヤホンガイドは必要ありません。
昼の部、夜の部とも、前半はオーソドックスな歌舞伎を披露していますが、新歌舞伎座完成の暁には、新作歌舞伎の割合がますます増えるかもしれません。