leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

THIS IS IT

マイケル・ジャクソンが死の直前に個人的に(奇跡的に)撮っていた、復活コンサートのリハーサル風景を編集したもの。
上映期間を延長したそうで、月曜のレディス・デー2時台の上映で、かなり入っている。
非常に完成度の高いフィルムで、コンサートで唄われるはずだったほとんどの曲が、全曲、マイケル自身のパフォーマンスで、数回撮られており、それを編集したものなので、音楽、照明、パフォーマンス、ダンス、声もベストの状態をチョイスしてある。
思い返せば、30年以上、マイケルを聴いてきた。
ジャクソン5のフィルムは見慣れたものだったが、涙が出てきそうになってしまった。
他にも、「ファンが聴きたいものをやるよ!」という会見での宣言どおり、大ヒット曲を昔のアレンジとダンスで、それをより深めて、完成度を上げようとしている真摯な態度に胸打たれるものがある。
オーディションで選ばれたダンサーも、バックコーラスも、ギタリスト(若い女性)も「マイケルと同じ舞台で立てる幸せ」に満ち溢れている。
彼らの前だけで繰り広げられるパフォーマンスは、それだけでラッキーなのだろう。
ライオネル・リッチーと"We are the world"を作ったときのエピソードが、朝日新聞に紹介されていたが、マイケルは楽譜が読めなかったという。
それでも彼の耳、感性が、「天使が降りてきた」と言わしめた力量だったのだ。
彼の「生きにくさ」という壁にぶつかるかのような残念な報道に接するたび、家族でさえ信頼できない孤独さ、そして今回のスタッフを「僕たちはファミリーだよ」と温かく包むマイケルのことば。
"This is it"が、本歌のあるものであるとわかっても、エンドロールには「マイケル作」と出ていたし、この映画を観た人が、ピュアな気持ちでマイケルを記憶に留めておくことができれば、温かい気持ちで帰途に着くことができるのだ。