leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

素数たちの孤独

素数たちの孤独(ハヤカワepiブック・プラネット)

素数たちの孤独(ハヤカワepiブック・プラネット)


図書館から一気に5冊も「予約の本の準備ができました」のメール。
3冊目にして、ようやく、ブログに書きとめようかと思った次第。

イタリアのトリノ大学で素粒子物理学を研究している26歳の青年。
彼のデビュー作で、イタリアで最高の文学賞と言われるストレーガ賞を受賞し、国内120万部の販売部数、30カ国以上の翻訳、映画化も決定という話題作です。

大学一年の時の授業で素数の一部にさらに特殊な数があることを知った。それは数学者たちが"双子素数"と呼ぶもので、隣りあったふたつの素数、いや、より正確に言えば、ほとんど隣りあった素数のペアのことだった。ここで"ほとんど"と言うのは、このふたつの素数の間には必ずひとつの偶数があって、両者が本当に触れあうことを妨げているからだ。(中略)
僕とアリーチェは双子素数と同じだ。マッティアはそう思っていた。どちらも孤独で途方に暮れていて、ふたりはお互いに近くにいるけれど、本当に触れあうにはなお遠すぎる。

で、このタイトルになっているわけですが、先に読むのが惜しくなるほどの胸に迫る語り口で、「どこかに共感」どころではない、「全面的に共感」なのでした。

「いつか出会う日がまた来るかもしれない」

この思いを抱いて、その日に恥じない暮らしを、日一日、積み上げていきたいと、「私」でも思うのでした。

今年読んだ本の中では、5つ星クラス。