leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

絶望ノート

絶望ノート

絶望ノート


久々に、ノックアウトされました!
デビュー作「葉桜の頃に君を思うということ」で、リーフの心をわしづかみにした、歌野晶午さん。
それ以来の「待ってました」という作品。
高品質の作品を届けるには、これくらい寡作でいいのです。
今回の「絶望ノート」。
中2のクラスでのいじめがテーマです。
いじめられっぱなしの主人公が、辛い日々を日記に書き綴る。
名前からくるイジメ。
親も担任もあてにならない。
一つの石をみつけて、それに祈ることをみつけ、「あいつを呪い殺してください」との思いに至る。
そして偶然願いが叶う。
最後の真相がわかるとき、自分の心の動きも見つめなおす契機となる。
情報を一方から与えられると、それにとらわれがちになり、逆の立場からの問題意識が見えなくなる。
「主人公の男の子がかわいそう」
それも一面的な考え方だったのだと反省させられてしまう。
さすがの筆力です。