少女の友

『少女の友』創刊100周年記念号 明治・大正・昭和ベストセレクション

中原淳一が、昭和10年代、活躍の場としていた少女雑誌が、創刊100周年を記念誌、総集編を刊行。
表紙、グラビア、詩、挿絵、マンガ、小説、投書欄など、見飽きることのないすばらしい内容の一冊。
今でいう中高一貫教育の女子校在学生をターゲットとしたような内容で、校則で映画鑑賞は禁止されているところもあるということを配慮し、スターの記事は一切なく、恋愛も、「S」と呼ばれる、上級生への淡い恋心を募らせる程度。
小説の結末は、パリへの留学だったりして。
ロマンティシズム溢れる中原淳一の挿絵も、当局により退廃的と指摘され、降板という憂き目に。
昭和20年近くなると、表紙絵も勇ましく、内容に触れた記事はあまりないものの、どれほど好戦的だったのか、想像に難くない。
満州や台湾、朝鮮からも日本人読者からの投書が届けられ、「案外落ち着いているのですね」という編集者のコメントが注目に値する。
もうすぐ付録つきの豪華復刻版も出るようだ。