leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

納棺夫日記

映画「おくりびと」は、この本に本木くんが触発されて企画され、長年苦労した末に、アカデミー賞まで勝ち取った作品。
図書館での予約が殺到しており、文庫で読めるので、購読。

納棺夫日記 (文春文庫)

納棺夫日記 (文春文庫)


アカデミー賞受賞の際に、この人への取材も多かったが、「原作者」として名を連ねていないのは、後半の「光」の記述に、映画が踏み込んでいないので、「原作」と名乗るのを躊躇されたのだとか。
しかし、妻が夫の職業を認知した夜「触らないで」と拒否したエピソードなど、十分、読み応えがある。
自分の、家族の、日本人の、世界の人の、「弔い」に携わる人への眼差し、死生観。
死体を這い回るウジにさえ、命を感じ取ってしまう作者。
この身体、どう葬ってもらおうか。
今、自分の意思を明確に表明しておくことに、早くも遅くもないのかもしれない。