leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

中村屋のボース

中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義

中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義


数年前に出版され、ずーっと読みたいと思っていた一冊。
ふとしたことで思い出し、図書館で検索してみると、すぐに借りることができた。
イギリス植民地だったインドの独立運動に携わり、日本へ逃亡するうちに、新宿中村屋の相馬家に庇護され、娘俊子と結婚し、2児をもうける。
日本に帰化し、日本からインドの独立運動を支えようと試みるものの、自国の時々刻々の変化を捉えきれず、また、日本の帝国主義を批判する勢力になりえず、心身を引き裂かれるような失意の中で一生を終える。
大きな決意を持って臨んだ結婚生活も、俊子の病死で思いがけなく短い年月となり、義父母と子どもの「家族」を常に思いやるボース。
お世話になった中村屋に本格的カレー「インドカリー」のレシピを置き土産に。
大東亜共栄圏」が、インドの独立を促すと期待し、インドも入ることを希望するものの、事は容易に運ばない。
日本の軍部の思い、ボースの思いが交錯する。
これは数年後、映画化されるかもしれません。
それほどドラマチックで、スケールの大きな、歴史ロマンです。