leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

鉄腕アトム


図書館の新書あさり(?)をしていたら、目に留まった「鉄腕アトム」。
金の星社から、手塚治虫全集が刊行されたのだ。1冊3,200円+税。
どなたも予約していない。早速ゲット。
1964年鈴木出版が刊行した手塚治虫全集の復刻版である。
アトムが生まれた経緯が6ページにわたり紹介され、『少年』(光文社)で連載された「地球最后の日の巻」(64年)と「ゲルニカの巻」(55年)が取り上げられている。

この全集、10巻あるうちの1巻だけが「アトム」で、2巻から8巻まで「0マン」なのだ。
0マン、聴いたことないな〜。
もっとアトムが取り上げられていたらよかったのに。

巻末に、手塚プロダクション金の星社の連名で、「読者のみなさまへ」というあとがきがあり、
手塚治虫全集」の作品の中には、アフリカの黒人をやや誇張して描いてあるなど、現在の状況の中で差別的と思われる部分があるという指摘がなされています」
「手塚自身は、文明と非文明、先進国と発展途上国、健常者と障害者など、すべての憎悪と対立は悪であるという信念を持ち続けた人です。」
「あえて発刊当時のままで復刻することとしました」
というメッセージが掲載されています。
このアトムの中にも「ルンペン」という表現があり、今ではNGだろうなと思われるのですが、当時の社会状況を表わしている。

それにしても、戦争反対というメッセージを、マンガというメディアで、しっかりと子どもたちに届けた手塚治虫の功績は大きい。
50歳以上の人が当時の読者だとすれば、それより年下の人は、この全集を手にして、手塚治虫の声に、再度、真摯に受け止めたい。