leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

悼む人

悼む人

悼む人


天童荒太さんの新作。
全国を回って亡き人を悼む。
ただただ「悼ませていただきます」。
その理由、価値、周囲の理解のギャップ。
息子の行動に自問自答しながら、母親のガンの進行を見守りながら、妹の出産を迎えながら、帰りを待つ家族。
同行者との距離感と感情の取り方。
ページを読み進めることが惜しくなるほどの「静謐」な筆致。
BGMはクラシックがふさわしい。
何年もかかってこの作品に辿り着いた、作者の精魂に、私は少しでも触れられたのだろうか?
誰かの死を迎えるときがあれば、この作品にまた向かい合いたい。