leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

女神記

女神記 (新・世界の神話)

女神記 (新・世界の神話)


桐野夏生の書き下ろし。
前回の『東京島』が、孤島に残されたたった一人の女性を巡っての話だったが、今回は、神話の世界の女性。
古事記や沖縄の伝承に想を得て、母なる神を描く。
とても楽しみにしていたのだが、前回と今回と、肩透かしを食わされた気分。
もっともっと、現代社会の女性を描いてほしいのに、舞台が、孤島だったり、大昔だったり。
『OUT』や『魂萌え』の「それってあるある」感に乏しい。
イマジネーションが豊かな読者には、共感を呼ぶのかもしれないが、現実世界にストレスを抱えている女性には、「遠い世界」の話に感じられてしまう。
先日、篠田節子の新刊(上下巻)にもトライした(挫折した)のだが、どうにも、「本」で積み上げた世界しか描かれておらず、リアルな世界や会話に乏しいのですよ。
新作の執筆に追われてしまうと、こうなってしまうのかな?
寡作でいいから、キリキリくる尖った作品を描いてほしいものです。
エラそうですみません。