- 作者: 桐野夏生
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/11/29
- メディア: ハードカバー
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桐野夏生の書き下ろし。
前回の『東京島』が、孤島に残されたたった一人の女性を巡っての話だったが、今回は、神話の世界の女性。
古事記や沖縄の伝承に想を得て、母なる神を描く。
とても楽しみにしていたのだが、前回と今回と、肩透かしを食わされた気分。
もっともっと、現代社会の女性を描いてほしいのに、舞台が、孤島だったり、大昔だったり。
『OUT』や『魂萌え』の「それってあるある」感に乏しい。
イマジネーションが豊かな読者には、共感を呼ぶのかもしれないが、現実世界にストレスを抱えている女性には、「遠い世界」の話に感じられてしまう。
先日、篠田節子の新刊(上下巻)にもトライした(挫折した)のだが、どうにも、「本」で積み上げた世界しか描かれておらず、リアルな世界や会話に乏しいのですよ。
新作の執筆に追われてしまうと、こうなってしまうのかな?
寡作でいいから、キリキリくる尖った作品を描いてほしいものです。
エラそうですみません。