leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

顧客満足とは?

昨日、地元の片倉シルク記念館という施設に赴き、明治時代から続き、平成6年に閉鎖された、片倉工業のシルク工場跡を見学した。
こちらに転居した直後に一度訪ねたが、そのときは、説明員の方がおいでにならず(昼休みだったか?)、今回は、丁寧な説明を受けながら、展示を眺めた。
県の繭試験場の所長だったという説明の方は、張り切って、こちらから質問をする隙を与えないほど、よどみない説明をされた。
「ご存知ないかもしれませんが・・・」という前置きで、蚕の生態や繭から糸を取り出す様子を説明されるのだが、ちょっとこちらが「それは知っています」という態度を示すと、がっくりされるご様子。こういうときは、「知りませんでした」と驚いてあげるのも、一つのマナーなのかな?
岡谷あたりの「女工哀史」の歴史とは違い、片倉工業は、社員を大事にして、就業後も社内の学園で華道、裁縫などを身に付けさせたことが大きな特徴。
「では、組合による労働争議のトラブルもなかったのですね?」と質問すると、私はあくまでこの片倉工業の昭和30年代、40年代あたりの歴史を知りたかっただけなのに、その方は、ご自分の職場でのエピソードを話し出された。昭和60年前後のことだという。
それは時代も異なり、背景も異なるので、知らなければ「知らない、わからない」とおっしゃってくだされば済むことなのだが、ついつい「知らない」とは言い難い年代なのであろう。
定年後、ここの説明員になっているというおじさま、第2の人生として、「知らない人にモノを語る」心地よさはないのだと思うが、謙虚に、訪問者の質問に答える姿勢、訪問者のニーズに学ぶ姿勢をお持ちにならないと、「次はあの説明、受けたくないな」と思ってしまう。
まだ地元には、片倉工業で仕事をしていたという女工さんも多く住まわれているはず。そういう方が説明してくだされば、もっとリアルな説明が受けられるだろうに。「天下り」の一つの弊害かも。