leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

ブラス!

映画「ブラス!」を観た。数日前、「フラガール」も観ていたので、期せずして日英炭鉱閉鎖に揺れる地元の戦いを眺めたことになる。
イギリスは、「鉄の女」と言われたサッチャーが首相となり、「繁栄」の美名の下に、多くの労働者が失業にあえいでいた時代。
どちらも、一時期もてはやされていたものの、時代遅れの「炭鉱夫」と「炭鉱の街」を描いていた。
「ブラス!」で登場した女性のたくましさに注目した。
余裕があるものは、バンドのサポーターになったり、旦那とすれ違いの生活になりながら、座り込みに参加したり。
明日の余裕がないものは、「音楽か生活か」という二者択一に迫られ、子どもを連れ、一時的に地元を去らざるを得ないが、バンドの決勝の客席に顔を見せる。
会社側の人間として、何とかバンドの危機を回避しようと努力するものの、経営者側の不誠実に、最後はファイルを投げつけて職場を去る女性。
「フラガール」は、女性が自立する手段として「ダンサー」という職業が前向きに描かれていたが、「ブラス!」の場合、主たる生計者である炭鉱夫が、収入以外のバンド活動に、どれだけ情熱と時間をかけ、家族の理解もとりつけるか。という、より究極の選択が迫られていたように思う。
その後も事態が好転したわけではなく、ブレア政権も期待はずれで終息してしまった次は、テロの恐怖にさらされている。