leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

高校生をナンパ?

新聞販売店のチケットが当たり、歌舞伎座5月公演「団菊祭」を観にいく。
いつも声をかけている友人たちも都合が悪く、初めて一緒に観にいくことになった友人も、風邪をひいてしまい、ドタキャン。
雨の降る中、一人ではつまらない。せっかくの千秋楽、席を空けるのも申し訳ない。
思い切って、幕見に並んでいる方に声をかけることにした。
リーフなりの条件は「一人で来ていて、歌舞伎の勉強をしておりその知識を私に教えてくれて、最後まで観られること」。
一人目の人には「最後まで観られないもので」と断られた。
二人目、学ランを着た学生が一人でいる。彼にしてみよう。
思い切って声をかけて事情を説明すると、何と90度身体を折り曲げ、深深と頭を下げられ、こちらが恐縮してしまう。
はっきり言えば、「歌舞伎オタク」の青年。毎月欠かさず歌舞伎座に足を運んでいるとか。でもお金がないので、いつも幕見席で我慢しているらしい。
今日は、前期試験が早く終わり、最後まで大丈夫なのか?と問うと、「図書館で勉強していることになっている」とか。
「明日の試験は大丈夫?」と聞くと「大丈夫だと思います」。
歌舞伎への造詣も深く、席に座るのも「こちら側が弁慶の六方がよく観られる方です」と薦めてくれる。
休憩時に「売店に行ってきます」と席を立ち、私もおみやげを買い込んだのだが「何を買ったの?」と聞くと、「舞台写真です」と見せてくれた。渋すぎる…。
さかなクン」そっくりの彼。
最後に「またこういうときはメールするから」とアドレスを私の携帯に打ち込んでもらおうと手渡したところ、「初対面ですから」と固辞する。
その慎重さがまた奥ゆかしい。疑われて悪い気はしなかった。
最後の舞台が終わり「今日はありがとうございました」とまた深深とお礼。周りが観ているってば!
「また縁があったらね」と一期一会の出会いを楽しみました。