leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

伊坂幸太郎「グラスホッパー」

院生Part1から、伊坂幸太郎を立て続けに拝借し、読み続けています。
『オーデュボンの祈り』 (新潮社、2000年)
『ラッシュライフ』 (新潮社、2002年)
『陽気なギャングが地球を回す』 (祥伝社、2003年)
『砂漠』 (実業之日本社、2005年)
こんな本を借りた覚えが。。。『砂漠』は面白かったな。
さて今回、『グラスホッパー』(角川書店、2004年) を借りました。
グラスホッパー
社会の底辺に蠢く暴力的な社会が舞台となることが多いのですが、今回も「蝉」「鯨」「鈴木」という登場人物それぞれの立場から、事件に翻弄される心象風景を描いています。
この本の中に、ロシア文学の「罪と罰」が小道具として描かれています。実はこの夏、初めて私も「罪と罰」にトライし、頭が焼け焦げてしまいそうな「読書地獄」のような体験をしたのでした。そして、先週、長らく院生Part1に貸していた(押しつけていた)「罪と罰」が「返すの忘れていました」と戻ってきたところでした。「最後まで読んだの?」「登場人物が、途中、誰だか訳がわからなくなりましたが、何とか」。そうです。ロシア文学の特徴として、登場人物が呼ばれる人物との関係から愛称をクルクルと変え、非常に読みづらくなる要因であるらしいのです。そんな会話をした直後に、この『グラスホッパー』。「(ロシア文学のタイトルを)逆から読むと…」なんていう会話も出てきて。
伊坂幸太郎を読破する上で、やはり『罪と罰』を読んでおいて損はないようです。