leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

『海辺のカフカ』村上春樹

海辺のカフカ(上)(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 海辺のカフカ(下)(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 2002年発表の長編。 20年以上も経って、初めて読んでいるわけだ。 村上春樹をずっと読み進めて、思ったのは、「全部の作品で、大…

映画『燃えよドラゴン』

燃えよドラゴン [Blu-ray] ブルース・リー Amazon 1973年に公開されたブルース・リーの代表作。 ほぼ1年近くハードディスクに温存されていたものをようやく。 とはいえ、中学2年のとき、幼稚園の時に好きだったクラスメイト(小学校は異なる)が、この映画を…

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』村上春樹(再読)

美品単行本 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」 村上春樹 文藝春秋 2013年4月 第5刷 ノーブランド品 Amazon 2013年に発刊当時、購読していた。すっかり忘れていたけど。 村上春樹を読み進めていて、本書は自宅にあったので、正直、自分が驚いてい…

『八月の御所グラウンド』万城目学

八月の御所グラウンド (文春e-book) 作者:万城目 学 文藝春秋 Amazon 直木賞をようやく受賞。本人はもう獲れないと思っていただろう。 京都を舞台に、女子高校駅伝とアマチュア野球の話し。 京都ならではのスパイスが「やさしい奇跡」に彩りを与えている。 …

『羊男のクリスマス』村上春樹★佐々木マキ

羊男のクリスマス (講談社文庫) 作者:村上 春樹,佐々木 マキ 講談社 Amazon 村上春樹の文庫本を、ブックオフオンラインで16冊、3200円で届けてもらった。 我が家の本棚は、ちょっとすごい。 で、早速、本書を手に取る。 佐々木マキさんは、1946年生まれで、…

『笑いのある世界に生まれたということ』中野信子・兼近大樹

笑いのある世界に生まれたということ (講談社+α新書) 作者:中野信子,兼近大樹 講談社 Amazon 図書館で予約して。 「チャラい」お笑い兼近さんは、高卒認定を受けるため、番組で知り合った中野さんと師弟関係となる。数年かけて高卒認定を取得する予定らしい…

『スプートニクの恋人』村上春樹

スプートニクの恋人 (講談社文庫) 作者:村上春樹 講談社 Amazon タイトルだけはずっと知っていて、やっと読めた一冊。 村上春樹のビギナーなら、本書をオススメ。 ぼくとすみれとミュウの三角関係。 「スプートニク」が出てくる理由も、案外あっけないのだが…

『ダンス・ダンス・ダンス』村上春樹

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫) 作者:村上 春樹 講談社 Amazon ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫) 作者:村上 春樹 講談社 Amazon 1988年に発表された長編。主人公は38歳の「僕」。 様々な人物が登場する中、興味を覚えたのは、ディック・ノ…

映画『桜色の風が吹く』

桜色の風が咲く [DVD] 小雪 Amazon 新年3日に、Eテレで放映したものを録画で。 9歳で失明、18歳で聴覚を失ったにも関わらず、東大の大学教授となった福島智さんの実話。 教師の父親、二人の兄がいる家庭で、入院、手術、点字の習得、指文字の獲得と、困難が…

『ノルウェイの森』村上春樹

ノルウェイの森 (講談社文庫) 作者:村上春樹 講談社 Amazon 昨日、鈴木保奈美が進行役の『村上春樹特集』がテレビであったので、録画して観たが、とてもがっかり。登場した場面を散歩するのが好きだとか、オススメは「カンガルー日和」だとか。もっと掘り下…

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』村上春樹

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 作者:村上 春樹 新潮社 Amazon 年末からこの本に取りかかり、ようやく読了。 新作『街とその不確かな壁』は一応読んだものの、本作と併読がオススメとあり、昨年6月、ブックオフオンラインで、1000円オフの価格…

『騎士団長殺し』(再読)村上春樹

5年ぶりの『騎士団長殺し』。 やはり前回は読みが浅かった。今回はもう少し集中して読めたかもしれない。 死の淵にいる雨田具彦の言葉にできない慚愧の念が、『騎士団長殺し』という1枚の絵に現れ、イデアとして主人公の前に現出する。 主人公とユズ、そし…

映画『TAR』

TAR/ター ブルーレイ+DVD [Blu-ray] ケイト・ブランシェット Amazon 主役のケイト・ブランシェットが見逃せない。国際的な指揮者を演じて、今年のアカデミー賞でいくつもノミネートされた。ようやくWOWOWの字幕版を視聴。 字幕の日本語はTARのセリフに「男言…

『1Q84』村上春樹

1Q84(BOOK1~3)合本版(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 村上春樹の代表作『1Q84』をようやく読み返すことができた。 「青豆はかっこよかったな~」程度の感想しか残っていなかった私は、このブログを検索したら、3回読んでいた。今回が…

『ライオンのおやつ』小川糸

ライオンのおやつ 作者:小川糸 ポプラ社 Amazon 小川糸さんの著書は、図書館では予約数が多く、なかなか借りられない。 しかし本書は、文庫版があり、そちらに予約数が集中しているので、単行本は難なく借りることができ、本日一気読み。 瀬戸内海に浮かぶ島…

『とわの庭』小川糸

とわの庭(新潮文庫) 作者:小川糸 新潮社 Amazon 図書館で予約しようとすると、絶望的な予約数。で、文庫化される前の単行本を予約し、読むことができた。 筆者の作品は、まだ数冊しか触れていないが、妙に静かで、登場人物がみな穏やか。 自然描写、食べる…

『ミス・サンシャイン』吉田修一

ミス・サンシャイン (文春e-book) 作者:吉田 修一 文藝春秋 Amazon 図書館で予約した一冊。半日であっという間に読了。 大学院生の一心が、担当教授の依頼で、往年の大女優・和楽京子の終活?を手伝うことに。歳の離れた男女の魂の呼応、それぞれの恋愛遍歴…

映画『グッドモーニング、ベトナム』

グッドモーニング、ベトナム (字幕版) ロビン・ウィリアムズ Amazon ロビン・ウィリアムズの生涯を10枚の写真で語るドキュメンタリー番組を観た。 www.nhk.jp そこで、録画していたこの映画を観なくては。と思い、視聴。 1987年のアメリカ映画。話題になっ…

『蝙蝠か燕か』西村賢太

蝙蝠か燕か 作者:西村 賢太 文藝春秋 Amazon 2022年2月5日、タクシー内で意識を失い、筆者が亡くなったというニュースには驚きだった。アル中かと思っていたら、心疾患とあった。太っていたからか。 で、この本を見つけ、図書館で予約し、拝読。 芥川賞受賞…

『影に対して』遠藤周作

影に対して (新潮文庫) 作者:遠藤 周作 新潮社 Amazon 生前の遠藤周作は、狐狸庵先生のイメージが強く、筆者がどうしてキリスト教に入信したのか、どういう来歴なのか、知る由もなかった。 この文庫では「母をめぐる物語」という副題がつけられ、6編の短編に…

NHKスペシャル “宗教2世” ドラマ「神の子はつぶやく」

録画していたものをようやく。 家族が幸せになるために神を信じ、祈りを欠かさず、日曜の行事に子どもを同行する母親。 濃淡はあれ、新興宗教だけでなく、キリスト教の日曜学校もこういう側面があるのでは? 絶望して街を彷徨い、救いを求める主人公。自分の…

『ジャカルタ・メソッド』ヴィンセント・ベヴィンス

ジャカルタ・メソッド 反共産主義十字軍と世界をつくりかえた虐殺作戦 作者:ヴィンセント・ベヴィンス 河出書房新社 Amazon 9月24・25日に、蓼科高原にある大学で所属していたゼミの恩師を訪ね、そこで「これを読んでください」と紹介された一冊。図書館で借…

映画『RRR』

RRR NTR Jr. Amazon 第95回アカデミー賞で歌曲賞を受賞したインド映画。 アカデミー賞授賞式を観たとき、「ナートゥ・ナートゥ」のパフォーマンスに感激を受け、いつか観る機会があればと思っていたが、WOWOWで放送があったので早速。 1920年イギリス領イン…

『トニー滝谷』村上春樹

トニー滝谷 プレミアム・エディション [DVD] イッセー尾形 Amazon レキシントンの幽霊 (文春文庫) 作者:村上春樹 文藝春秋 Amazon 『レキシントンの幽霊』に所蔵されている短編「トニー滝谷」を文庫版で読み、映画『トニー滝谷』をWOWOWで観る機会に恵まれた…

『短編宝箱』集英社文庫

短編宝箱 (集英社文庫) 作者:朝井 リョウ,浅田 次郎,伊坂 幸太郎,荻原 浩,奥田 英朗,西條 奈加,桜木 紫乃,島本 理生,東野 圭吾,道尾 秀介,米澤 穂信,集英社文庫編集部 集英社 Amazon 「小説すばる」創刊35周年を記念した短編アンソロジー。 東北の旅行のお供…

『約束された場所で(underground2)』村上春樹

約束された場所で (underground2) 作者:春樹, 村上 文藝春秋 Amazon オウム真理教による地下鉄サリン事件後、被害者へのインタビューが『アンダーグラウンド』。そちらを読もうと思ったが、残された信者へのインタビューのこちらを先に読む。 巻末に、河合隼…

村上春樹全作品 短編集(1)

村上春樹全作品 1979~1989〈3〉 短篇集〈1〉 作者:春樹, 村上 講談社 Amazon 「踊る小人」ディスコが流行ったり、バブルの頃は、「踊る」ことが若者の行動の中で娯楽の一つとしての地位を確立していた。しかし今、踊りは、ストリートでグループに属さない限…

『午後の最後の芝生』村上春樹

村上春樹全作品 1979~1989〈3〉 短篇集〈1〉 作者:春樹, 村上 講談社 Amazon 短編集をゆっくりと読み進めている。 『午後の最後の芝生』という作品は、若い頃の失恋の情景を描いている。 19歳の恋人から手紙で別れを告げられた筆者は、芝生の刈り込みという…

『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』岸田奈美

家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった +かきたし (小学館文庫 き 16-1) 作者:岸田 奈美 小学館 Amazon 中学生のころに父が心筋梗塞で急逝した。4歳下の弟は、生まれつきダウン症で知的障害があった。 わたしが高校1年生のとき、自宅で母が倒…

『ハンチバック』市川沙央

第169回芥川賞受賞作を文藝春秋最新号で読む。 せむし(ハンチバック)の怪物の呟きが真っ直ぐな背骨を持つ人々の呟きよりねじくれないでいられるわけもないのに。 この2行に凝縮されているのかな。 どんな内容か、報道や単行本の売れ行きから楽しみにしてい…