leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

『うずまき猫のみつけかた』村上春樹

村上朝日堂ジャーナル うずまき猫のみつけかた(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 村上春樹をできるだけ読んでみる…。の一環。 1993年から95年にかけての、アメリカのケンブリッジ滞在記。 あとがきにあるように、1994年春から95年秋にかけて「SINRA…

映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(字幕/吹替) ミシェル・ヨー Amazon アカデミー授賞式があるこの時期、昨年の受賞作品を、WOWOWでオンエアしてくれる。で、これは、字幕版だけでは満足できず、吹き替え版も拝見。 コインランドリーを…

映画『ザ・ホエール』

ザ・ホエール(字幕版) ブレンダン・フレイザー Amazon 2023年アカデミー主演男優賞を、本作の主人公ブレンダン・フレイザーが受賞した作品。WOWOWで視聴。 275kgの巨漢を持て余し、単身で引きこもり、オンライン教授として自分のカメラはつけずに指導にあ…

『村上ラヂオ』村上春樹

村上ラヂオ(新潮文庫) 作者:村上春樹,大橋歩 新潮社 Amazon 雑誌ananに、2000年頃、連載されていたエッセイ集。あとがきで、大橋歩さんが、震えるように「村上さんのエッセイに挿絵や版画を使っていただくことのうれしさ」を綴っている。 連載の頃は、アン…

『影老日記』『江之浦奇譚』杉本博司

杉本博司自伝 影老日記 作者:杉本 博司 新潮社 Amazon 江之浦奇譚 作者:杉本 博司 岩波書店 Amazon 高校の同級生に誘われ、初めて江之浦測候所に行くまで、杉本博司さんのことは存じ上げなかった。「測候所?」「杉本博司?」と何も知らぬまま、小田原近くの…

『親愛なるレニー』吉原真里

親愛なるレニー: レナード・バーンスタインと戦後日本の物語 作者:吉原 真里 アルテスパブリッシング Amazon 先輩のブログを拝見して、読みたくなり、図書館で予約。昨日受け取り、今日夕方には読了。改めて先輩のブログを読み直し、私も、下手にあらすじは…

『やがて哀しき外国語』村上春樹

やがて哀しき外国語 (講談社文庫) 作者:村上春樹 講談社 Amazon 短編のエッセイ集。読みやすかった。 1991年から二年間、アメリカのニュージャージー州プリンストンに筆者は住んでいた。 本書は当時の記録で、文庫本になったのは、1997年。 「ヒエラルキーの…

『久米宏です。』久米宏

久米宏です。 ニュースステーションはザ・ベストテンだった (朝日文庫) 作者:久米 宏 朝日新聞出版 Amazon 2017年に単行本として出版されたものが、2024年10月に文庫本となり、それを図書館で予約して拝読。 1970年代、土曜の午後TBSラジオで、「男が出るか…

『街とその不確かな壁』村上春樹(再読)

街とその不確かな壁 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 昨年の誕生日に、読んでいたんだ。その時の読書のあまりのふがいなさに、リベンジしてみた。今回は、読書環境としては恵まれており、1200枚の長編に没頭することができた。 16歳と17歳の初々しいカップル。…

『まく子』西加奈子

まく子 (福音館文庫) 作者:西 加奈子 株式会社 福音館書店 Amazon 図書館から予約した本だったので、さっさと読むことに。 子どもから大人になるための「通過儀礼」。セイリ、セイツウ、親のウワキ…。 そんなことを乗り越えて、祭りのかけ声「サーイセ」の意…

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(再々読)村上春樹

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫) 作者:村上春樹 文藝春秋 Amazon 1ヶ月前に読んだはずなのに、乱読していたせいか、さっぱり思い出せない。 この本をオススメする文章があり、本気で一日で読了。 そうなんだ。この読書スピードでない…

『走ることについて語るときに僕の語ること』村上春樹

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫 む 5-10) 作者:村上 春樹 文藝春秋 Amazon 長編を取り組む決心がつかず、「村上春樹とは何者か?」という疑問に迫れるような読みやすいものに逃亡中。 本書は2007年に単行本として出版された、「ランニン…

『職業としての小説家』村上春樹

職業としての小説家(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon テレビには出ず、インタビューも記事になることはない。 海外で暮らすことが多い。そして誤解はどんどん多くなる。 そんな状況を打破するために、本書は書かれたのだろう。 執筆活動中の暮らし…

『東京奇譚集』村上春樹

東京奇譚集(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 昨日、母の病院の付き添いの往復で読もうと鞄に入れ、途中になり、今日読了。 平成17年に刊行された短編集。 「偶然」や「ありえない奇跡」がもたらしたいくつかの邂逅。 「偶然の旅人」や「ハナレイ・…

『偉大なる、しゅららぼん』万城目学(再読)

偉大なる、しゅららぼん (集英社文庫) 作者:万城目学 集英社 Amazon 2011年8月に読んでいました。「しゅららぼん」の正体だけ、うっすらと記憶に残っていたのですが、改めて読み、物語の舞台が琵琶湖をめぐってのお家騒動。しかも現代版。面白かった! …

『ねじまき鳥クロニクル 1~3』村上春樹

ねじまき鳥クロニクル(第1部~第3部)合本版(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon まだまだここに書けるほどには消化していないのだが、書いておかないと、次に進めないので。 ゆっくり読んでいたら、ある登場人物が再登場した際に「誰だっけ?」と…

『海辺のカフカ』村上春樹

海辺のカフカ(上)(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 海辺のカフカ(下)(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 2002年発表の長編。 20年以上も経って、初めて読んでいるわけだ。 村上春樹をずっと読み進めて、思ったのは、「全部の作品で、大…

映画『燃えよドラゴン』

燃えよドラゴン [Blu-ray] ブルース・リー Amazon 1973年に公開されたブルース・リーの代表作。 ほぼ1年近くハードディスクに温存されていたものをようやく。 とはいえ、中学2年のとき、幼稚園の時に好きだったクラスメイト(小学校は異なる)が、この映画を…

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』村上春樹(再読)

美品単行本 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」 村上春樹 文藝春秋 2013年4月 第5刷 ノーブランド品 Amazon 2013年に発刊当時、購読していた。すっかり忘れていたけど。 村上春樹を読み進めていて、本書は自宅にあったので、正直、自分が驚いてい…

『八月の御所グラウンド』万城目学

八月の御所グラウンド (文春e-book) 作者:万城目 学 文藝春秋 Amazon 直木賞をようやく受賞。本人はもう獲れないと思っていただろう。 京都を舞台に、女子高校駅伝とアマチュア野球の話し。 京都ならではのスパイスが「やさしい奇跡」に彩りを与えている。 …

『羊男のクリスマス』村上春樹★佐々木マキ

羊男のクリスマス (講談社文庫) 作者:村上 春樹,佐々木 マキ 講談社 Amazon 村上春樹の文庫本を、ブックオフオンラインで16冊、3200円で届けてもらった。 我が家の本棚は、ちょっとすごい。 で、早速、本書を手に取る。 佐々木マキさんは、1946年生まれで、…

『笑いのある世界に生まれたということ』中野信子・兼近大樹

笑いのある世界に生まれたということ (講談社+α新書) 作者:中野信子,兼近大樹 講談社 Amazon 図書館で予約して。 「チャラい」お笑い兼近さんは、高卒認定を受けるため、番組で知り合った中野さんと師弟関係となる。数年かけて高卒認定を取得する予定らしい…

『スプートニクの恋人』村上春樹

スプートニクの恋人 (講談社文庫) 作者:村上春樹 講談社 Amazon タイトルだけはずっと知っていて、やっと読めた一冊。 村上春樹のビギナーなら、本書をオススメ。 ぼくとすみれとミュウの三角関係。 「スプートニク」が出てくる理由も、案外あっけないのだが…

『ダンス・ダンス・ダンス』村上春樹

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫) 作者:村上 春樹 講談社 Amazon ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫) 作者:村上 春樹 講談社 Amazon 1988年に発表された長編。主人公は38歳の「僕」。 様々な人物が登場する中、興味を覚えたのは、ディック・ノ…

映画『桜色の風が吹く』

桜色の風が咲く [DVD] 小雪 Amazon 新年3日に、Eテレで放映したものを録画で。 9歳で失明、18歳で聴覚を失ったにも関わらず、東大の大学教授となった福島智さんの実話。 教師の父親、二人の兄がいる家庭で、入院、手術、点字の習得、指文字の獲得と、困難が…

『ノルウェイの森』村上春樹

ノルウェイの森 (講談社文庫) 作者:村上春樹 講談社 Amazon 昨日、鈴木保奈美が進行役の『村上春樹特集』がテレビであったので、録画して観たが、とてもがっかり。登場した場面を散歩するのが好きだとか、オススメは「カンガルー日和」だとか。もっと掘り下…

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』村上春樹

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 作者:村上 春樹 新潮社 Amazon 年末からこの本に取りかかり、ようやく読了。 新作『街とその不確かな壁』は一応読んだものの、本作と併読がオススメとあり、昨年6月、ブックオフオンラインで、1000円オフの価格…

『騎士団長殺し』(再読)村上春樹

5年ぶりの『騎士団長殺し』。 やはり前回は読みが浅かった。今回はもう少し集中して読めたかもしれない。 死の淵にいる雨田具彦の言葉にできない慚愧の念が、『騎士団長殺し』という1枚の絵に現れ、イデアとして主人公の前に現出する。 主人公とユズ、そし…

映画『TAR』

TAR/ター ブルーレイ+DVD [Blu-ray] ケイト・ブランシェット Amazon 主役のケイト・ブランシェットが見逃せない。国際的な指揮者を演じて、今年のアカデミー賞でいくつもノミネートされた。ようやくWOWOWの字幕版を視聴。 字幕の日本語はTARのセリフに「男言…

『1Q84』村上春樹

1Q84(BOOK1~3)合本版(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 村上春樹の代表作『1Q84』をようやく読み返すことができた。 「青豆はかっこよかったな~」程度の感想しか残っていなかった私は、このブログを検索したら、3回読んでいた。今回が…