アカデミー賞授賞式で、この映画を知り、いつかは観たいと思っていたが、WOWOWで放映されたので、録画して視聴。
60年代のNASAで、黒人女性が実力を発揮する物語。
女性を含む白人が、自らの偏見を打破する過程が面白い。
3人は知り合いだが、共闘するのでなく、それぞれの役割でのし上がっていく。
初めての有人飛行も、彼女たちの成果があってこそ。
もっと早く世に知られてもよかった。
泣き虫しょったんの奇跡 完全版<サラリーマンから将棋のプロへ> (講談社文庫)
奇しくも映画版が上映されたそうで。
NEC出身ということもあり、以前から存じ上げていた。
地元だったことは最近知った。
そして、こんなにも過酷な経歴だったのかと本書で知りえた。
少年期、奨励会での記述が克明に綴られている。
この文庫版には、本編の後日談もあり、「完全版」となっている。
映画の監督も俳優に将棋のプロの打ち方を厳しく指導したそうだ。
母の新米ナース時代のことを初めて聴いたので、書き残すことに。
受験した半数が合格し、遠方からの合格者と共に、4人部屋の寮生活を始める。
舞鶴港では昭和20年9月から引揚船が到着したが、当番になると、DDT消毒をされた大陸からの人を何人か受け持ち、移動させる役目を与えられた。
母が建物の3階か4階にあったトイレに行きたくなると、少年兵らしき人が「行ってきな。僕が見ててあげるから」と役目を代わってくれた。
舞鶴から福知山まで見送りの付き添いに電車で同行すると「ここからどっち方面に行こうかな。俺んち、農家で食い扶持がないから。」と困った顔の男性を幾人も見送ったそうだ。
5年で、正看護師の資格を取得。
その間も多くの引揚者の受け入れをしたようだ。
数年、舞鶴で勤め、東大阪などで勤務のあと、祖母にリウマチが悪化したため実家に近い、舞鶴の自衛隊地区病院で勤務。そこで埼玉から来ていた経理をしていた父と出会うんだな。
戦後10年は、ほぼ母の10代と一人前の看護師になるまでのストーリーが詰まっていた。
オウム真理教による地下鉄サリン事件で、死刑を執行された7名の報を受け、教団側のインタビューをまとめたこの本を入手して、改めて考えてみた。
何らかの方法で、不規則発言を繰り返す松本智津夫に、検察と司法が真相究明のために語らせる方策を取って欲しかった。遺骨を4女に託した死刑囚は、相応の思考力、判断力を持ち合わせていたと思われ、家族に対する思いもできるだけ語らせて記録に残すべきだった。
そして、彼の死刑を執行してから、他の6名の死刑囚にその事実を告げ、現在の心情を語らせ、それもすべて公開すべきだったのではないか。
本書を読んで、自己を持ち続けることの生きづらさとひきかえに、上からの命令に服従することの平穏がオウム信者にみられたが、それは官僚、会社、軍、学校、どの組織でも多かれ少なかれ存在することではないか。そこから自己を遠ざけるには、ひきこもるか、独自の功績を挙げるかないのかもしれない。
物静かな人こそ、確固とした自分を持っている人と思えてしまう。
図書館で予約して借りた一冊。
学生オケに属する主人公が経験した学生指揮者との恋を、前半は当人が、後半は友人が、それぞれの立場で綴る。
恋に嵌るまでの経緯が、当人同士ではない、指導者、親、愛人の策略によるものであることが、そもそもぶっとんだ設定。ただの美男美女のカップルのストーリーでは終わらない「盲目的」ぶり。
そして、それを見守るはずの友人の何と屈折している思い。
ブラバンにいた自分にとっては、ちょっと「あるある」。