leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

「あつき」の人々

数年ぶりに、以前住んでいた地域の方々とお目にかかる。

いちばん会いたかった人からのメールで、大和市に新設された複合施設シリウスの入り口で。もう一人、私なんぞに会いたいという方を連れて。

シリウスの6階から降りてきて、「GINZA SIXに似ている」「地元の蔦屋書店に似ている」などと感想を交わしつつ、1階のスタバで、久しぶりのフラペチーノ。外は30度近い真夏日。甘くないフラペチーノはいまだにないのだとか。

お互いの近況を話し、家族のこと、健康のこと、日々の過ごし方、家事の分担など、どうってことない会話なのだが、この安心感はなんだろう?

きっとそれぞれの生活がキチンとしていて、自分のペースにうまく巻き込もうという策略がゼロのところが安心なのだと思う。

スタバの込み具合は激しく、ガストに場を移してから、二人だけで延長戦。

転居地での人間関係の後悔を聴いてもらい、ありがたい限り。

日が長くなり、夕方6時になってもまだ明るい。

『十五の夏』佐藤優

 

十五の夏 上

十五の夏 上

 
十五の夏 下

十五の夏 下

 

 佐藤優さんが15歳の夏に高校合格祝いとしてユーラシア大陸を一人で旅をした記録。
おかしいほど繰り返されるのが、夏休み明けに予定されている数学のテストの恐怖。

浦和高校という埼玉県有数の進学校に合格し、英語もずいぶん深い内容の会話を交わすほどなのに、毎日羽を伸ばすどころか、高校生活が心の半分以上を占めている。

世界で見聞を広める貴重な時間でしょ!と言いたいところだが、これが15歳の現実なのであろう。

説教臭い大人、元北大生の危うさなど、外国人よりも旅先で出会う数少ない日本人にがっかりさせられる。起訴された際に「こんなこと」まで蒸し返されるなんて!

母親の心配はさもありなん。風邪をひいたくらいで済んでホントにラッキー。

分厚い上下巻、同じ旅を追体験させていただいたかのよう。

私の知らない渋谷

昨夜、ゼミの女子会で、渋谷のスペイン坂にあるお店に。

湘南新宿ラインを降りて、ハチ公前改札を抜ける前からものすごい混雑。

スクランブル交差点では、外国の方らしい自撮り集団。

センター街も、息が止まるほどの混雑。

もはやどこの国なのか、東京なのか、判然としかねる。

心が折れかけてしまい、ウインドウショッピングも何を観ても気が入らない。

目的のお店では、電話での予約の際、間違った名前を店員が聴きとってしまったらしく、何度も確かめられる。早めの到着でも席に案内していただけたが。

帰りは、スクランブル交差点を避けたが、もはやどこをどう歩いたか。

二次会も失礼し、帰路に着く。

地元の駅の静けさに感謝。

ドラマ『弟の夫』

NHK BS2で3回に渡って放映されたドラマ。LGBTをテーマに取り上げるのは、NHKが民放に先行しているかと。
佐藤隆太が主人公。あまり好きな俳優ではなかったのですが。

把瑠都がドラマ初出演で、カナダから来日する「弟の夫」として登場。

把瑠都、自然で上手い。子役も自然。

中学生で、初めてゲイをカミングアウトする男の子は、難しかっただろうな。

ゲイ役の野間口徹さん、ぴったりでした。

先生役の大倉孝二さんは、損な役回り。

「注意するなら、いじめる側を」とピシっと先生に言えるお父さんを尊敬します。

結局、把瑠都は何の職業だったのか、わからず仕舞いでしたが、そんなことどうでもよく、翌年、カナダの家族を連れて再訪するところなど、すっかり家族になっていました。

マンガが原作なので、小中学校でも取り上げられたらいいのに。

 

 

『笑劇の人生』芦屋小雁

 

笑劇の人生 (新潮新書)

笑劇の人生 (新潮新書)

 

 図書館から借りて。

この人の名は、テレビを見始めた頃(たぶん幼稚園)から知っていたと思う。

てなもんや三度笠」「番頭どんと丁稚どん」など、大阪の舞台から中継していた番組にいくつか出ていた。

その後も、朝ドラなどに出ており、ホラー映画愛好家としても、有名。

自叙伝なのだが、「艶福家」とはこういう人を言うのですね。

祇園での遊び方、3度の結婚生活、兄も弟も早逝したが、何より「〇〇ファミリー」を率いるようなことをしなかった分相応が、長生きの秘訣かも。

女優の斎藤とも子さんとの結婚に際し、首までつかる洗礼を受け、キリスト教に改宗したエピソードには驚かされた。

ムーンライト

 

ムーンライト(字幕版)
 

 昨年のアカデミー作品賞で、間違って「ララランド」とコールされ、話題となってしまった作品。

3世代に渡って描かれるある黒人。

家族、コミュニティ、ジェンダー、友人関係すべてに軋轢を抱え、口数が少なくなるのも無理ない境遇。

少年時代の主人公に手を差し伸べる大人(ホアン)の眼差しが温かい。
これは、現実には多数なのか、すでに少数派なのか。

ブラッド・ピットが製作者に名を連ねている。

『生粋』花田優一

 

生粋(ナマイキ)

生粋(ナマイキ)

 

 図書館から予約の順番が来て、その夜に読了。
あの「貴」の長男で、靴職人。

日本テレビの「おしゃれ30」に出演していた番組を観て、何でマスコミに出たんだろうという疑問もあったが、それについても書かれていた。

留学もイタリアでの2年半という修業も、完璧なものだったかはわからないが、その判断もすべて自らで下し、前に「進む」ことだけを見据えてきた。

この歳でこの判断力を築いたことは、「ニート」と言われる人々に、覚醒させる力も持っている。

それでも家族を気遣い、父を尊敬し、妹たちを思いやる。

できすぎ。の感もあるが、彼は今後どこへ向かうのか。

少なくとも、今受けている靴の注文をこなすことを第一に。と思わずにはいられない。